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金相場が高騰している6つの理由を徹底解説

「金相場がなぜ高騰するのか、理由を知りたい」

金相場を見ていると日によって価格が違うけど、どのような要因が関係しているのか気になりますよね。2024年以降、過去最高を記録するほど最近の金相場高騰は著しいです。

金相場は常に変動しており、相場が上がるタイミングにはいくつか理由があり、理解を深めることで今後の価格がどうなるかをある程度予測できます。そこで今回の記事では、以下の内容を解説します。

  • 金相場が高騰している6つの理由
  • 2000年以降金相場が上がった理由
  • 金を売るベストなタイミング

金相場が上がる理由を把握して、1円でも高値が付いているタイミングでの売却を目指しましょう。

1.金相場が高騰している6つの理由

現在金相場が高騰している理由は、主に以下の6つです。

  1. 供給量に対し需要が増加している
  2. 円安傾向にある
  3. 地政学リスクの影響を受けている
  4. インフレ傾向にある
  5. 各国の中央銀行が金を購入している
  6. 世界的に低金利の傾向にある

1つずつ解説していきます。

1-1.供給量に対し需要が増加している

現在世界中で金の需要が増え、供給が圧迫されていることから、金相場が高騰しています。需要が供給を上回ればモノの価格は上がり、供給が需要を上回ればモノの価格は下がるためです。

金の場合、需要と供給のバランスは、以下の要因によって決まります。

  • 供給
  • 鉱山生産量
  • スクラップによる回収量(リサイクル)
  • 需要
  • 宝飾品の売れ行き(指輪、ネックレスなど)
  • 金への投資
  • テクノロジーへの活用
  • 各国中央銀行での売買量

たとえば、世界情勢が悪化すると株式や証券などの金融資産は価値が低下するため、投資家は安定した価値を持つ金を求めるようになります。結果として金の需要が増加し、比例するように金相場も高騰を見せているというわけです。

1-2.円安傾向にある

2024年以降顕著になっている円安傾向ですが、金相場にも影響を与えています。米ドルが安くなると、金相場は上昇するのです。

一般的に米ドルの相場と金の相場は、逆相関関係にあると言われており、米ドルが安くなれば金相場は上がり、米ドルが高くなれば金相場は下がります。

たとえば、1ドル90円と100円の場合では、1ドル100円の方が金相場は上昇する可能性が高いです。

金は貴金属の一種でもあり、お金の一種でもあるため為替の影響を受け、特にドル円の為替相場の動きが、金の相場に影響を与えるケースが多いです。

よって円安傾向が続く現在は、金相場が高騰する一つの要因となっています。

1-3.地政学リスクの影響を受けている

地政学リスクの上昇によって、金相場は上昇します。地政学リスクとは、世界の政治経済の予測ができず、先行きを不透明にするリスクのことです。

以下のようなものが、地政学リスクに該当します。

  • 紛争やテロ
  • 国の財政破綻
  • 大手企業の倒産
  • パンデミック(世界的な流行病)

現在、中東情勢の緊迫化や未だ解決しないロシアとウクライナの問題など、世界中でさまざまな地政学リスクが発生しています。

上記のような事象で地政学リスクが高まることで、安定した資産を求める人が増え、モノに価値がある金の需要が上昇するため、金相場も上昇する傾向にあるのです。

一方で、紛争やテロによる影響がなく、地政学リスクが下がると、他の資産にも需要が流れるため、金相場は低下する傾向にあります。

1-4.インフレ傾向にある

世界中でインフレへの懸念が強まっていることで、金の需要が高まり、金相場が高騰しています。インフレとは、モノの価格が上がり続ける状態のことです。

インフレ傾向にあるタイミングで、金へ投資しておけば、モノの価格と同時に金の価格も上昇するため、自己資産を守ることが可能です。

また、近年ではデフレ(モノの価格が下がること)であっても金相場が上昇することがあります。

景気が悪くなると、大手企業や国への信用や不安が増し、株価や債券が下がりますが、金は破綻のリスクが極めて低いため、投資対象として注目されます。

多くの人が金を求めるタイミングは需要が増すので、金相場も自然と上昇していきます。

1-5.各国の中央銀行が金を購入している

金の相場は、各国の中央銀行が金の購入量を増やすことで高騰します。世界各国の中央銀行は、リスクヘッジとして大量の金を保有しており、売買の動向が金相場に影響するためです。

特にリーマンショック後は、投資家の米ドルに対する信頼が不安定となり、買い手が先行するため、中央銀行の判断が金相場の変動に直結することが多いです。

そして以下のニュースからもわかるように、2024年は中国やトルコ・インドなどの国において金の購入量が増加しています。

参考:各国中銀の金購入、4月に大幅増加 価格高騰も需要堅調=WGC | ロイター

今後も各国中央銀行の金購入量が増加を見せるのであれば、金相場は高騰していくとみられます。

1-6.世界的に低金利の傾向にある

世界的な低金利によって、金への投資価値が高まり、金相場が上昇します。特に最近では、アメリカで低金利化が進み、金相場高騰の要因になっています。

参考:米FRBが大幅利下げを発表、4年半ぶり – BBCニュース

一昔前までは、銀行への預金に対する金利で資産が増える時代でした。しかし、現在では金融緩和により金利が下がり、預金に対する利子がほとんど付かなくなりました。

そのため、預金ではなく金への投資が注目されるようになり、金相場が上昇します。

2.2000年以降金相場が上がった理由

過去20年を見ると、金相場は大幅に上昇してきています。

田中貴金属工業の調査によると、2000年は金1グラムあたり平均1,014円でしたが、2022年4月以降には金1グラムあたり平均8,000円台前後を安定してキープするまでに上昇しています。
金の価格動向
参考元:田中貴金属工業

金相場が上昇している理由は、2001年に起こった同時多発テロや2008年に起こったリーマン・ショック、2020年に発生した新型コロナウイルス、2022年に入ってからのウクライナショックなどです。

いずれも株式が下がり、社会的信用への不安が増え、資産として信用が高い金の購入が増えて、金相場が上昇したと考えられます。

今後も、経済の先行きが不透明な状況が続く限り、安全な資産である金に資金が集中するため、2022年以降の金相場は上昇トレンドにあります。

3.今後の金相場はどうなる?

では、今後の金相場はどうなるのでしょうか。短期的・長期的の2つの視点に分けて、今後の金相場を予測していきます。

短期・中期的には金価格が一時的に落ち着くか、あるいは下がる可能性もあります。今後の世界情勢の動向次第で、金を手放す人が増える可能性があるためです。

一方で、長期的な視点で見ると今後も上昇する可能性が高いです。金の採掘コストの高騰や、限られた埋蔵量が金価格の上昇を支える要因となっています。また、今後は宝飾品としての需要だけでなく工業需要も伸びていき、金の価格が上昇していく可能性が高いです。

金は、短期・中期的には価格が落ち着くかもしれない一方で、長期的には金価格が上昇し続ける可能性が高いという二面性を持っています。投資を考えている方は、ぜひ今後の動向に注目してみてください。

今後の金相場については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

4.今後金相場が下がるとしたらどんな要因がある?

では、金相場が下がる要因はあるのでしょうか。ずばり、「金相場が上がる要因とは反対の事象が起こる」ことです。

主に、以下のような理由が挙げられます。

  1. 需要が減り、供給が増える
  2. 米ドル価値が上昇する
  3. 世界情勢が安定する
  4. インフレ懸念が鎮静する
  5. 金利が上昇する

詳しくは以下の記事でご紹介しているので、あわせてご覧ください。

5.金を購入する際に注意したいポイント

これから投資目的で金の購入を検討されていてる方は、以下5つの点に注意してください。

  • 購入時に手数料が発生する
  • 配当金や利子などのインカムゲインがない
  • 盗難や紛失を防止する必要がある
  • 為替相場の影響を受けやすい
  • 金貨の場合は「地金型」にする

上記5つの点について、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

6.金を売るならベストなタイミングで!

金を売るベストなタイミングは、「相場が高いとき」に売ることです。田中貴金属工業株式会社様のサイトを見ると、数年間・数ヶ月単位の買取価格の推移(チャート)が確認できます。

田中貴金属工業株式会社|日次金価格推移

ただし、相場を見たとしても、どのタイミングが最も高値になるかは投資のプロでも正確に予測することができません。日ごとの変動幅は大きくないため、過去と比べて相場が高い時期であれば売るタイミングと考えてもいいでしょう。

金を売るタイミングに関しては以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

5.まとめ

金相場が上がる理由は、以下6つが関わってきます。

  1. 供給量に対し需要が増加している
  2. 円安傾向にある
  3. 地政学リスクの影響を受けている
  4. インフレ傾向にある
  5. 各国の中央銀行が金を購入している
  6. 世界的に低金利の傾向にある

今回紹介した内容をもとに、将来的な金相場の流れを予測して、購入や売却のタイミングの参考にしてください。

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