
「古い指輪をリフォームしたら石だけが残ってしまった」「遺品整理で地金と石を分けたけれど、この宝石は単体で売れるのだろうか?」と、お悩みではありませんか?台座のない裸石の状態では、適正な価値がつくのか不安に感じる方も多いでしょう。
結論から申し上げますと、ダイヤモンドをはじめとするほとんどの宝石は、石のみの状態(ルース)でも買取が可能です。しかし、ジュエリーとして売却する場合と比べ、査定額の評価基準が大きく変わることがあります。
そこでこの記事では、以下の内容を解説しています。
- この記事で解説していること
- 石のみ(ルース)の宝石でも買取可能
- 石のみで高価買取が期待できる宝石の種類
- 石のみの宝石を1円でも高く売るための5つのコツ
この記事を読み、お手持ちのルースの価値を最大限に引き出し、納得のいく買取価格を実現するための知識をぜひ身につけてください。
1.石のみ(ルース)の宝石でも買取可能
石のみ(ルース)の状態になっている宝石でも、専門の買取業者であれば問題なく買取が可能です。
そもそもルースとは、台座や枠から外され、宝石本体が裸の状態になった石を指します。古いデザインの指輪をリフォームしたり、遺品整理で地金と石を分離したりした結果、石だけが手元に残るケースは多いです。
買取業者は、宝石の価値を「石そのもの」の品質によって評価しますので、台座があるかどうかは査定の必須条件ではありません。石のみだからと宝石の売却を諦める前に、買取業者への査定依頼をぜひ検討してみてください。
1-1.なぜ石だけの宝石でも売れるのか?
石だけの宝石でも売れるのは、最終的にその宝石を再販したり、別のジュエリーに再加工したりすることによって、買取業者が利益を得ることが可能だからです。
ジュエリーとして販売する場合、まず台座から石を外し、再研磨やクリーニングをおこないます。そのため、買取の段階で石が外れていても、業者にとっては手間が一つ減るだけになるのです。
とくに高額なダイヤモンドや希少性の高いカラーストーンは、世界共通の鑑定基準で価値が決まるため、台座のデザインやブランド価値に左右されず、石本体の品質のみで評価されます。
1-2.ダイヤモンド以外にカラーストーンも買取の対象
石のみの買取は、ダイヤモンドだけでなく、ルビー、サファイア、エメラルドなどの主要なカラーストーンも買取対象となります。主要なカラーストーンは、その色や透明度、インクルージョン(内包物)の状態など、専門的な基準をもとに価値が判断されるためです。
ただし、カラーストーンの査定はダイヤモンドよりも専門性が高く、業者によって評価額が大きく変動する場合があります。とくにアレキサンドライトやパライバトルマリンのような希少石は、鑑別書や鑑定書を必ず準備したうえで、専門的な知識を持つ買取店を選ぶことが非常に重要になります。
1-3.石のみの宝石はジュエリーよりも査定額が低くなる
石のみの宝石を売却する場合、一般的にジュエリー(台座付き)として売るよりも査定額が低くなる傾向があります。その理由は、主に以下の3つです。
- 地金(金・プラチナ)の価値が加算されない
- ブランドやデザインの付加価値がなくなる
- 買取後の再加工コストが考慮される
一つずつ解説します。
1-3-1.地金(金・プラチナ)の価値が加算されない
ジュエリーとして買取に出す場合は、宝石の価値に加え、指輪やネックレスに使われている地金(金やプラチナ)の重量も評価され、査定額に加算されます。しかし、石のみの状態であれば、当然ながら地金分の価値は一切加算されません。
とくに地金が高騰している時期は、石の価値自体よりも地金の重さに基づき買取価格が高くなる可能性が高いです。地金部分の価値を失うことが、石のみ買取の最大のデメリットといえるでしょう。
1-3-2.ブランドやデザインの付加価値がなくなる
宝石をジュエリーとして売却する場合、カルティエやティファニーなどの有名ブランドの製品であれば、デザイン性やブランドネーム自体に高い付加価値がつきます。そのため、宝石の品質以上の高額査定になる可能性があるのです。
しかし、石のみの状態では、ブランドやデザインの価値は評価対象とはなりません。査定されるのは、純粋に宝石の品質と重量だけとなるのです。
したがって、ブランドジュエリーを売却する場合は、可能であれば石を外さずに、ジュエリーとして査定に出すことが売却額を最大化させるうえで重要です。
1-3-3.買取後の再加工コストが考慮される
業者が石のみを買取ったあとにその宝石を再販する場合、新しいジュエリーにセッティングするための再加工や鑑定費用といったコストが発生します。そのため、買取業者はこれらのコストを事前に見込み、査定額から差し引いて提示するのが一般的です。
また、石に微細な傷や欠けがあり再研磨が必要と判断された場合、その費用も考慮されます。ジュエリーとして持ち込まれる場合よりも、あとの加工費用が査定に影響するのが特徴です。
2.石のみで高価買取が期待できる宝石の種類
石のみの状態であっても、世界共通の評価基準や希少性によって価値が認められている宝石は、高価買取が期待できます。ここでは、石のみでも高価買取が期待できる宝石を4種類ご紹介します。
- ダイヤモンド
- ルビー・サファイア・エメラルド
- 翡翠
- その他希少性の高い宝石
詳しく解説します。
2-1.ダイヤモンド
ダイヤモンドは、石のみの状態でも宝石の中で最も高価買取が期待できる種類です。4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)という世界共通で客観的な評価基準が確立されているからです。
専門的な業者であれば、鑑定書がなくても正確な品質を判断できます。とくに大粒(1カラット以上)で内包物が少なく、色の等級が高いダイヤモンドは、ルース単体でも非常に高い価値を持ちます。
ダイヤモンドは市場の需要が常に高いため、安心して査定に出すことができるでしょう。
2-2.ルビー・サファイア・エメラルド
ルビー、サファイア、エメラルドの三大カラーストーンも、石のみで高価買取が期待できる代表的な宝石です。これらの石は、色の鮮やかさ(彩度と明度)や、産地による希少性が査定に大きく影響します。
たとえば、ルビーであれば「ピジョン・ブラッド」と呼ばれる最高級の濃い赤色、サファイアであれば「ロイヤル・ブルー」のような深い青色などの場合、数百万の価値がつく場合もあります。
2-3.翡翠
東洋の神秘的な宝石とされる翡翠(ひすい)は、石のみの状態でも非常に高額な買取が期待できます。
翡翠の価値は、色合いの深さと透明度が評価基準となります。なかでも、均一で美しい緑色を持つ「琅かん(ロウカン)」と呼ばれる最上級の品質を持つ翡翠は、高値で取引されることが多いです。
翡翠は、リングやペンダントだけでなく、彫刻品としても利用されることが多いため、石のみの状態でも世界中にコレクターがいます。日本の市場でも根強い人気があるため、専門的な知識を持つ業者を選ぶことで、適正な買取価格がつくでしょう。
2-4.その他希少性の高い宝石
前述した宝石以外にも、希少性の高い特定の宝石は石のみで高価買取が期待できます。たとえば、以下のような宝石は産出量が極端に少ないため、ルース単体であっても非常に高い市場価値を持ちます。
- パライバトルマリン
- アレキサンドライト
- ブラックオパール
これらの宝石は査定の難易度が高く、業者によって評価が大きく分かれることがあります。とくに、希少石の売却を検討する際は、その宝石の鑑別書や保証書を必ず揃え、希少石の取引実績が豊富な専門店を選ぶことが最も重要です。
買取業者のWebサイトを確認したり、事前に問い合わせたりして、買取実績を確認しておくことがおすすめです。
3.石のみの宝石を1円でも高く売るための5つのコツ
最後に、石のみの宝石を1円でも高く売るための5つのコツを解説していきます。
- 鑑定書・鑑別書を必ず一緒に査定に出す
- もし残っていれば元の台座も持参する
- 宝石の表面をきれいにしておく
- 自分の宝石の価値を事前に調べておく
- 複数の専門店で査定を依頼する
どれも実践しやすいものですので、ぜひ参考にしてください。詳しく解説します。
3-1.鑑定書・鑑別書を必ず一緒に査定に出す
お手持ちの宝石についての鑑定書や鑑別書があれば、必ず一緒に査定に出すようにしてください。これらの証明書は、その宝石の品質を第三者の専門機関が客観的に証明した書類だからです。
証明書がない場合、業者は査定のために再鑑定の手間と費用を見込む必要があり、その分だけ買取額が低くなる場合があります。また、希少なカラーストーンの場合、天然石である証明がなければ、査定額が大幅に下がったり、買取自体が難しくなったりする場合もあります。
3-2.もし残っていれば元の台座も持参する
ルースとして売却するもとを決めていても、元の台座(地金部分)が残っていれば、一緒に査定に持参するのが得策です。台座の素材によっては地金としての価値があるため、単体で買い取ってもらうだけで売却総額が上がります。
また、仮に台座が破損していても、その地金の素材(プラチナやK18など)として価値が評価されますので、決して捨てずに残しておきましょう。石のみの買取を希望する場合でも、地金と石の分別査定を依頼するもとで、査定額を最大化できます。
3-3.宝石の表面を、柔らかい布で優しく拭いておく
宝石を査定に出す前に、表面に付着した皮脂やホコリなどの汚れを柔らかい布で優しく拭き取っておくことが大切です。汚れが表面に残っていると、石本来の輝きが損なわれ、査定士が目視した際に品質評価が低くなる可能性があるからです。
とくに、ダイヤモンドは油に馴染みやすいため、指紋や化粧品の油分がつきやすいのが特徴です。クリーニングもと、簡単に拭き取るだけでもにした輝きを取り戻すことができるでしょう。
3-4.自分の宝石の価値を事前に調べておく
売却を検討している宝石の現在の市場価値や相場を事前にリサーチしておくことは、高額買取を実現するための重要なコツです。自分の宝石がどの程度の品質(4Cなど)で、市場でいくらで流通しているのかを知っておくもとで、業者が提示した査定額が適正かどうかを判断できるからです。
相場よりも極端に低い価格を提示された場合、すぐに交渉したり、他の業者へ切り替えたりする判断がおこなえます。とくに、ルース(裸石)の相場に特化して情報を集めておくと、買取をより効率よく進められます。
3-5.複数の専門店で査定を依頼する
宝石の買取では、査定基準や在庫状況などをもとに、業者によって提示額が大きく変わることも珍しくありません。とくに石のみのルース買取は、業者の専門性によって買取価格に差がつきやすいです。
そのため、少なくとも2〜3社の買取専門店に相見積もりを依頼するのは、最も効果的な方法です。複数の査定額を比較することで、適正な宝石の買取価格を把握できるうえ、提示された買取価格の交渉材料としても活用できます。
手間を惜しまずに複数の業者の意見を聞くことが、高価買取への近道です。
4.まとめ
この記事では、石のみの宝石でも買取が可能であること、また、高価買取を実現するために必要な知識と準備について解説しました。
ダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドなど、世界共通の基準を持つ宝石の場合、たとえ台座がなくてもその石本来の価値が正当に評価されます。
しかし、ブランド価値や地金分の価値が加算されない分、鑑定書や鑑別書を添える、表面を丁寧に拭く、そして必ず複数の専門業者に査定を依頼するといった事前の行動が、買取価格を大きく左右します。
石のみの宝石を買取に出す際は、事前の準備を怠ることなく、できるだけ高く買い取ってもらえる買取業者を選ぶようにしましょう。
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