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ウクライナ情勢が金市場に与える影響 | 今後の見通しをシナリオ別に予測

#金・貴金属

ウクライナ情勢が金市場に与える影響 | 今後の見通しをシナリオ別に予測
2022年の侵攻開始から数年が経過した今も、ウクライナ情勢は、金市場の動向を左右する重要な要因の一つです。「有事の金」という言葉で、当初の価格急騰は理解できても、なぜ今なお金価格が高値圏で推移し続けるのか、その構造的な理由を知りたい方も多いのではないでしょうか。

この記事では、長期化するウクライナ情勢が金市場にどのような影響を与えているのか、ウクライナ情勢の動向によってなぜ金の需要が高まるのか、徹底解説していきます。

記事の後半では、今後ウクライナ情勢が金市場に与える影響を、2つのシナリオ別に予測しています。

ウクライナ情勢と金市場の関係について詳しく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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1.ウクライナ情勢が金市場に与える影響


2022年2月に、ロシアによるウクライナへの侵攻が開始されました。そしてそれ以降、ウクライナ情勢の長期化によって、金価格は歴史的な高水準を推移しています。

ウクライナ情勢の悪化は、金市場に短期的な価格の乱高下だけでなく、構造的かつ長期的な価格上昇の圧力をもたらしており、非常に重要な要因となっています。

この紛争は、世界の政治・経済の枠組みを揺るがし、金の「安全資産」としての価値を再認識させました。

1-1.現在のウクライナ情勢について

2025年9月現在、ウクライナ情勢は依然として終結の目処が立たず、長期的な膠着状態が続いています。

戦闘の激しさに波はあるものの、紛争が続いているという事実そのものが、世界経済にとっての大きな不確実性要因となっています。ロシアに対する経済制裁も継続しており、エネルギーや食糧の供給網にも根深い影響を残しているのです。

ウクライナ情勢に関しては、以下のサイトにて最新の情報をご確認ください。

参考:ウクライナ情勢の記事・特集をまとめたページ|NHK

1-2.ウクライナ情勢の長期化は、金市場の構造的な上昇要因

金市場にとって、ウクライナ情勢の長期化は一過性のニュースではなく、金価格を高値で推移させる、構造的な上昇要因として機能しています。

ウクライナ情勢の長期化による金市場への影響として、以下の4点を解説します。

  • 「有事の金」としての需要が継続的に発生
  • インフレ・金融政策の影響
  • 市場の心理的影響
  • 米国の利下げによる影響

一つずつ見ていきましょう。

1-2-1.「有事の金」としての需要が継続的に発生

ウクライナ情勢が長期化していることで、「有事の金」としての、安定した需要が継続的に発生しています。

投資家は、紛争がいつ激化するか分からないというリスクを常に意識しています。そのため、資産の一部を安全資産である金に振り向けておくことで、万が一の事態に備えているのです。

これは、突発的な危機に対する短期的な資金逃避というよりは、長期的なリスク管理の一環としての、根強い金の買い需要を生み出しています。

1-2-2.インフレ・金融政策の影響

ウクライナ情勢を起点としたエネルギーや食糧価格の高騰は、世界的なインフレを招き、各国の中央銀行に難しい金融政策の舵取りを強いています。

インフレが続けば、通貨の価値が目減りするため、インフレヘッジとして金が買われます。一方で、インフレを抑えるための利上げは、金利を生まない金の魅力を下げますが、景気を冷やしすぎるリスクもはらんでいるのです。

このような金融政策の不確実性が高まる局面では、投資家は金を選好する傾向があります。

1-2-3.市場の心理的影響

ウクライナ情勢の長期化は、市場参加者の心理に、「世界はもはや安定していない」という根深い不信感を植え付けました。これにより、かつてのように経済指標が良いからといって、手放しで株などを買う「リスクオン」のムードになりにくくなっています。

常に世界のどこかで紛争が続いているという事実が、投資家を慎重にさせ、資産ポートフォリオにおける金の重要性を心理的に高めているのです。

1-2-4.米国の利下げによる影響

ウクライナ情勢の長期化による世界経済の減速懸念から、米国が利下げに転じる、あるいはその観測が強まると、金価格にとって強力な追い風となります。

金利が下がると、金利を生まない金を持つことのデメリットが減少するため、金の魅力は相対的に高まります。また、米国の利下げは一般的にドル安を招きやすく、ドル建てで取引される金の価格を押し上げる効果があります。この金融緩和への期待感が、現在の金市場を支える一因です。

2.ウクライナ情勢の動向によって「有事の金」の需要が増加する仕組み

ウクライナ情勢の動向によって「有事の金」の需要が増加するのには、以下のような理由が関係しています。

  • 金融・経済制裁による、国家通貨への不信感
  • エネルギー・食糧価格高騰による、インフレ懸念
  • 株式市場の不安定化と、安全資産への資金逃避

それぞれ解説します。

2-1.金融・経済制裁による、国家通貨への不信感

ロシアに対して科された強力な金融・経済制裁は、国家が発行する通貨そのものへの不信感を、世界中の投資家に抱かせました。

とくに、ロシア中央銀行の在外資産が凍結されたことは、米ドルさえも地政学的な対立の武器になり得ることを示しました。これにより、特定の国に依存せず中立的な資産である金の価値が見直され、購入する動きが強まったのです。

参考:ロシアへの制裁 中央銀行の“資産凍結”ってどういうこと?|サクサク経済Q&A|NHK

2-2.エネルギー・食糧価格高騰による、インフレ懸念

ウクライナとロシアは、天然ガスや小麦といった、エネルギーや食糧の主要な供給国です。そのためウクライナ情勢の悪化は、世界的な物価上昇を招きました。

インフレが進行すると、現金や預貯金の価値は、実質的に目減りしていきます。一方金は、インフレが進んでも価値を保ちやすいとされる資産です。そのため、投資家がインフレから資産を守るべく金を購入する動きが増えるのです。

参考:食糧・エネルギー価格高騰 ウクライナ侵略、世界にインフレ圧力|日本経済新聞

2-3.株式市場の不安定化と、安全資産への資金逃避

戦争や紛争といった先行きが全く読めない事態は、企業の経済活動に大きな打撃を与え、世界中の株式市場を不安定にさせます。このようなときに投資家は、価格変動の激しい株式などのリスク資産を売却し、より価値が安定している資産へと資金を移動させる動き(リスクオフ)を強めるのです。

金は、安全資産の代表格であり、ウクライナ情勢によって世界的な不安が高まる局面において、投資家たちの資金の受け皿となっているのです。

3.ウクライナ情勢の動向以外に金価格が上昇する要因

現在起きている金価格の上昇は、ウクライナ情勢の動向によるものだけでなく、以下のような要因も関係しています。

  • 供給量に対し需要が増加している
  • 円安傾向にある
  • 地政学リスクの影響を受けている
  • インフレ傾向にある
  • 各国の中央銀行が金を購入している
  • 世界的に低金利の傾向にある

現在金価格が高騰している理由については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

4.これまでのウクライナ情勢による金価格の推移


ロシアによるウクライナへの侵攻が開始したのは、2022年2月です。それ以降の期間で、ウクライナ情勢が金価格へ与えた実際の影響を、2つのフェーズに分けて振り返っていきます。

4-1.2022年2月:侵攻直後の価格急騰

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まった2022年2月24日以降、「有事の金」として、安全資産への資金逃避の動きが強まり、金価格は一時的に急騰しました。

戦争という極度の地政学リスクの発生により、世界中の投資家が株や通貨といったリスク資産を売り、価値が安定している金へと一斉に資金を移動させたためです。

まさに、世界情勢の危機が、金の価値を押し上げる典型的なパターンとなりました。

4-2.2023年〜現在:高値圏で推移

金価格は、ロシアによるウクライナへの侵攻が落ち着いた2023年から現在に至るまで、史上最高値圏での推移を続けています。これは、紛争の長期化による根強い地政学リスクに加え、世界的なインフレの進行や各国中央銀行の金購入といった、より構造的な要因が金の需要を下支えしているためです。

ウクライナ情勢は、金を「一過性の避難先」から「長期的に保有すべき資産」へと、その位置づけを変化させました。

5.【今後の見通し】ウクライナ情勢の展開シナリオと金市場への影響

今後の金市場の動向は、ウクライナ情勢が「さらに長期化・泥沼化する」のか、それとも「停戦・和平へと向かう」のか、その展開シナリオによって大きく左右されると考えられます。

ここでは、考えられる2つのシナリオと、それぞれが金価格に与える影響を予測します。

5-1.シナリオ①紛争がさらに長期化・泥沼化した場合

もしウクライナ情勢がさらに長期化・泥沼化した場合、金価格は、引き続き高値圏で推移するか、あるいはさらなる上昇も考えられます。

紛争の継続は、地政学リスクと世界経済の不確実性を高いレベルで維持させます。今後もウクライナ情勢が沈静化しない場合は、安全資産としての金の需要は引き続き高水準で推移すると予想されます。

また、各国が軍事費を増大させれば、さらなるインフレ圧力となり、これも金価格を支える要因となります。

5-2.シナリオ②停戦・和平交渉が具体化した場合

逆に、もし停戦や和平交渉が具体化し、紛争終結への道筋が見えてきた場合、金価格は、短期的には下落する可能性があります。これは、地政学リスクの低下によって投資家の間に安心感が広がり、これまで金に避難していた資金が再び株式などのリスク資産へと向かうためです。

ただし、紛争が終結しても、インフレや各国のドル離れの動きといったその他の構造的な問題は残るため、金価格が侵攻以前の水準まで一気に下落するとは考えにくいでしょう。

6.まとめ

この記事では、ウクライナ情勢が金市場に与える影響を、そのメカニズムと今後の予測まで詳しく解説しました。

世界が不安定化する現代において、「有事の金」に対する需要が常に高まっています。

今後金の価格がどのように変動するか予測を立てたいという方は、ウクライナ情勢のニュースも確認するようにしましょう。

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