
「ダイヤモンドのカラットとはどういう意味?」「カラット数がダイヤモンドの価値にどう影響するの?」といった疑問を抱えていませんか。
カラットはダイヤモンドや宝石の重さを示す単位であり、価値や見た目に大きく影響する重要な要素です。婚約指輪やジュエリーを選ぶ際には欠かせない基準として、多くの人が注目しています。
この記事では、カラットの基本的な意味や由来、ダイヤモンドにおける評価基準「4C」との関係、カラットごとのサイズ感や価格の違いなどについて詳しく解説します。
また、シーン別に最適なカラット数の選び方も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
1.カラット(Carat)とは?
まずはカラットとは何か、どのような意味があるのかについて、3つののポイントを解説します。
1-1.カラットが示すのは宝石の「重さ」
カラットは一般的に「ct」と表記され、1カラットは0.200gに相当します。
カラットは宝石の「重さ」を示す単位であり、サイズを測るものではありません。しかし、重さが増えるにつれて宝石のサイズも大きくなるため、「カラット=サイズ」と誤解されることが多いです。
特にダイヤモンドの場合、0.1カラット増えるごとに直径が約0.6〜0.8mm大きくなると言われています。
同様に、宝石の見た目や輝きも、カラット数だけでは決まりません。たとえば、カットの質が低ければ、同じカラット数でも輝きが劣る場合があります。そのため、カラットだけでなく、他の要素(特にダイヤモンドの場合は「4C」)を考慮することが重要です。
1-2.カラットの由来
「カラット」という言葉の由来は、地中海地方で使われていたイナゴ豆の種子(carob)にあります。
イナゴ豆の種子は比較的均一な重さを持つため、古代の商人たちが宝石の重さを測る基準として利用していました。
この風習が長い年月をかけて発展し、1913年にアメリカがメートルカラット法として扱ったことをきっかけに、現在のカラット(1カラット=0.200g)という単位が国際基準となりました。
1-3.CaratとKaratの違い
「Carat」と「Karat」はどちらも「カラット」と呼ばれますが、それぞれ全く異なる意味を持ちます。
Carat(ct) | 宝石の重さを示す単位で、ダイヤモンドや他の宝石に使用されます。1カラット=0.200gで、純粋に質量を測るための基準です。 |
Karat(K) | 金の純度を示す単位で、24Kが純金を表します。たとえば、18Kは金の割合が75%(18/24)であることを示します。 |
Caratは重さに関する指標であり、Karatは金の純度に関する指標です。特にダイヤモンドジュエリーを購入する際には、「Carat」と「Karat」を混同しないようにしましょう。
2.ダイヤモンドのカラットは「4C」のなかの1つ
ダイヤモンドの価値を評価する際、国際的な基準として下記の「4C」が用いられます。
- カラット(Carat)
- カラー(Color)
- クラリティ(Clarity)
- カット(Cut)
4Cそれぞれの詳細や、カラットを含む4Cの鑑定機関、鑑定書に記載されるカラットについてみていきましょう。
2-1.ダイヤモンドの価値は「4C」で決まる
ダイヤモンドの価値を決める4Cは以下の要素で構成されています。
基準 | 単位(ランク) | 詳細 |
---|---|---|
カラット(Carat) | ct(単位) | ダイヤモンドの重さを表し、重くなるほど希少価値が高まる |
カラー(Color) | アルファベットのD〜Z(23ランク) | ダイヤモンドの色合いをD(無色透明)〜Z(淡い黄色)までの23段階で評価 |
クラリティ(Clarity) | FL(フローレス)〜I3(インクルーデッド) | 内包物や表面の傷など、ダイヤモンドの透明度を11ランクで評価 |
カット(Cut) | Excellent〜Poor(5ランク) | ダイヤモンドの研磨技術や対称性を評価する |
これらの要素が総合的に評価され、ダイヤモンドの価値や価格が決定します。特にカットの質はダイヤモンドの輝きを大きく左右するため、カラット以外でも重要な評価基準となっています。
2-2.カラットを含む4Cを鑑定する機関
ダイヤモンドの4Cを正確に評価するため、日本では世界基準で信頼できる鑑定機関が3つあります。
GIA(米国宝石学会) | 国際的に最も権威のある宝石鑑定機関で、4Cの基準を設定したことで有名です。アメリカに本拠地があり、日本でも拠点が置かれています。 <発行される「GIAダイヤモンドグレーディングレポート」は、世界中で信頼されている鑑定書です。 |
CGL(中央宝石研究所) | 日本最大の鑑定機関で、鑑定書は日本語と英語で記載され、ダイヤモンドの写真やプロポーションレポートも付属します。 |
AGT(AGTジェムラボラトリー) | CGLと並んで信頼できる日本の鑑定機関の1つで、GIA宝石学修了証書(GIA-G.G.)を保有する専門鑑定士による、特殊な鑑定レポートを提供しています。 |
また、日本のダイヤモンド鑑定機関はAGL(宝石鑑別団体協議会)によって統括されており、各鑑定機関が一貫した基準で評価できるように取り組みがおこなわれています。
2-3.鑑定書に記載されるカラットについて
GIAの鑑定書では、カラットが1/100の精度で計測され、小数点第4位を8捨9入(8以下切り捨て、9以上切り上げ)した小数点第3位までをメートルカラット(単位:ct)として表示します。
日本で主流のCGLやAGTでは、小数点第4位を四捨五入し、小数点第3位まで表記するルールが採用されています。なお、日本でダイヤモンドを購入した場合は、CGLの鑑定書が添付されていることが多いです。
3.カラットごとのサイズの違いと計算方法
カラットごとにあるサイズは決められており、直径と深さがわかればある程度計算が可能です。
ここでは、カラットごとの直径と深さや、実際に測った値からどのように計算するのかをお伝えします。
3-1.カラットごとのサイズ表
カラットごとのサイズ(直径×深さ)については、以下の表を参考にしてみてください。
カラット(ct) | 直径(mm) | 深さ(mm) |
---|---|---|
0.2 | 3.81 | 2.31 |
0.25 | 4.10 | 2.49 |
0.3 | 4.36 | 2.64 |
0.35 | 4.59 | 2.78 |
0.4 | 4.80 | 2.91 |
0.45 | 4.96 | 3.01 |
0.5 | 5.14 | 3.11 |
0.55 | 5.31 | 3.21 |
0.6 | 5.47 | 3.30 |
0.65 | 5.62 | 3.39 |
0.7 | 5.75 | 3.49 |
0.75 | 5.89 | 3.57 |
0.8 | 6.02 | 3.64 |
0.85 | 6.15 | 3.72 |
1 | 6.48 | 3.91 |
1.5 | 7.41 | 4.48 |
2 | 8.16 | 4.94 |
ぜひ参考にしてみてください。
3-2.カラットの計算方法
カラットを計算するには、直径と深さを測る必要があります。
- 直径:ダイヤモンドの平たい面の長さ
- 深さ:ダイヤモンドの上下の長さ(平たい面から尖った先まで)
直径と深さを測り終えたら、下記の計算式に当てはめます。
深さ × 直径 × 直径 × 0.0061=カラット(ct)
※単位:ミリメートル(mm)
【例】
直径:4.80mm
深さ:2.91mm の場合
2.91 × 4.80 × 4.80 × 0.0061 ≒ 0.4
よって上記の例では、0.4カラットとなります。
4.カラットが上がると値段も上がる
カラット数が上がるほど、宝石のサイズは大きくなり、その希少性や価値も比例して高くなります。特にダイヤモンドの場合、カラット数が増えるにつれて値段の上昇率は直線的ではなく、指数関数的に上がる傾向があるのです。
たとえば、0.5カラットと1カラットのダイヤモンドでは、カラット数は2倍でも価格は3倍以上になる場合があります。これは、大粒のダイヤモンドほど産出が難しく、その希少価値が反映されるためです。
5.カラットごとの周りに与える印象
カラット数が大きい宝石は見た目もゴージャスで存在感があります。
一方で、小さいカラット数の宝石は、可憐でおしとやかな印象を与え、上品な雰囲気を醸し出します。
特に、メレダイヤと呼ばれる小さなダイヤモンドを複数組み合わせたジュエリーは、キラキラと華やかな輝きを放つため、ゴージャスさとは異なる形で華やかさを演出できるでしょう。
日常使いでは小さめのカラット、特別なシーンでは中〜大ほどのカラットが選ばれることが多いです。
6.シーン別の最適なカラット数
ダイヤモンドジュエリーのカラット数はさまざまですが、先述した通り、カラット数に応じて印象は異なるものです。
また、婚約指輪や結婚指輪としてプレゼントするのか、それとも日常使いするのかなどによっても最適なカラット数は異なります。
6-1.婚約指輪や結婚指輪に最適なカラット数
婚約指輪において、カラット数は宝石の輝きや指輪全体のデザインと密接に関係しています。日本では、0.2〜0.4カラットのダイヤモンドが婚約指輪として選ばれることが多く、控えめで上品な印象を与えるサイズなのが特徴です。
比較的大きめの0.5〜0.6カラットも人気がありますが、日本人は全体的にシンプルさを重視する傾向があるため、アメリカで人気の1カラット以上といったダイヤモンドよりも、比較的小ぶりなサイズが好まれます。
6-2.日常使いに最適なカラット数
日常使いには、控えめなサイズの0.1〜0.2カラットの宝石が適しています。小さなカラット数は、可憐でシンプルな印象を与え、日常生活に溶け込むデザインが多いです。仕事やカジュアルな場面にもマッチしやすいでしょう。
逆に、日常使いで大きすぎるカラット数を選ぶと、シーンや服装によっては目立ちすぎる場合があるので注意しましょう。
7.まとめ
この記事では、カラットの意味や計算方法、ダイヤモンドの4Cなどについて解説しました。
カラットは宝石の重さを示す重要な単位であり、宝石の価値や印象に大きな影響を与えます。また、婚約指輪や日常使いなど、用途やシーンによって適切なカラット数は異なります。
カラット数だけでなく、デザインや使い勝手なども考慮しつつ選ぶようにすると良いでしょう。
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