
「ダイヤモンドの原石は買取してもらえるのか?」「自分が持っているダイヤモンド原石の価値を知りたい」などとお考えの方はいらっしゃいませんか?
ダイヤモンド原石を適正な価格で買取してもらうためには、正しい知識を身につけておくことが重要です。
そこで今回は、以下のトピックについて解説します。
- この記事で解説していること
- ダイヤモンドの原石は買取可能なのか
- ダイヤモンドの原石の種類
- ダイヤモンドの原石の価値が決まる仕組み
- ダイヤモンドの原石を高く売るポイント
この記事を読むことで、ダイヤモンドの原石を売却する際の判断材料を得ることができます。
「ダイヤモンドの原石の価値を知りたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.ダイヤモンドの原石は買取可能

結論、ダイヤモンドの原石は買取可能です。そのうえで、注意しておくべき3つのことは、以下のとおりです。
- 原石とルースの違いを理解しておく
- 買取店によっては断られる場合もある
- 買取対象になりにくい原石の状態
それぞれについて解説します。
1-1.原石とルースの違いを理解しておく
まず、ダイヤモンドの原石とルースは全く異なる物であることを理解しておきましょう。
原石とは、鉱山から採掘されたまま加工が施されていない、石ころのような状態のダイヤモンドを指します。一方ルースとは、その原石を職人がカット・研磨し、宝飾品としてセッティングできる状態にした、輝きを持つ「裸の宝石」のことです。
買取市場で一般的に流通しているのは、ルースの状態です。
1-2.買取店によっては断られる場合もある
ダイヤモンドの原石を買い取る場合、通常の宝石買取に比べて極めて高度な専門知識が必要となるため、買取店によっては査定自体を断られる場合があります。
ダイヤモンド原石の査定は、「その石から、どれだけ価値の高い宝石を切り出せるか」という未来の可能性を予測する作業だからです。この専門的な判断ができないお店では適正な価格がつけられません。
そのため、原石を売却する場合は、必ず原石の買取実績が豊富な専門の業者を選ぶことが非常に重要です。
1-3.買取対象になりにくい原石の状態
ダイヤモンドの原石の中には、買取対象になりにくい状態のものもあります。買取店によっても異なりますが、以下のような状態の原石は買取対象になりにくいか、もしくは評価が低くなることが一般的です。
- 極端に透明度が低い
- 合成ダイヤモンドである
- 模造石の疑いがある
査定に出す前に、原石の状態を把握しておくことをおすすめします。
2.ダイヤモンドの原石の種類

ダイヤモンドの原石は、一つひとつ形や品質が異なり、専門的な基準によって厳密に分類されています。とくに買取査定においては、その原石が「宝飾品として加工できるか」と、「どのような形をしているか」が、価値を判断するうえで非常に重要です。
ここでは、原石がどのように分類されているのか、その基本的な種類について解説します。
2-1.大きさや品質による分類
大きさや品質による分類には、その大きさ、品質、そして透明度によって、宝飾品に適したものから工業用にしかならないものまで、大きく3つのグレードに分類されます。
- ソーヤブル
- メイカブル
- ニアージェム
この分類が、原石の取引における最も基本的な価値基準となります。それぞれについて解説します。
2-1-1.ソーヤブル
「ソーヤブル」は、原石の中でも最高品質とされ、最も価値が高いグループです。形が良く不純物(インクルージョン)が少ないため、美しい宝飾品用ダイヤモンドに加工するのに適しています。
たとえば、正八面体のような理想的な形状の原石がこれにあたります。原石の多くを無駄なく宝石として活用できるため、高値で取引されます。
2-1-2.メイカブル
「メイカブル」は、ソーヤブルに次ぐ品質を持つ、宝飾品グレードの原石です。形がやや不揃いであったり、不純物を含んでいたりするため、カットの際に無駄になってしまう部分が多くなります。
しかし、職人が石の特性を最大限に活かすよう工夫して加工することで、美しい宝石へと生まれ変わらせることが可能です。
2-1-3.ニアージェム
「ニアージェム」は、品質が低く、宝飾品への加工には適さないと判断された原石です。これらは、ダイヤモンドが持つ地球上で最も硬いという性質を活かし、主に工業用の研磨剤や切削工具の先端などに使用されます。
宝飾品としての価値はありませんが、産業を支える重要な素材として活用されています。
2-2.形状による分類
ダイヤモンドの原石は、その生まれ持った結晶の形によってもいくつかの種類に分類されます。主に、以下5つの分類です。
- 正八面体
- 十二面体
- マクル
- 立方体
- イレギュラー
形状は、その原石からいかに効率よく大きな宝石を切り出せるかに直結するため、価値を決める重要な要素となります。詳しく解説します。
2-2-1.正八面体
「正八面体(オクタヘドロン)」は、ピラミッドを二つ合わせたような理想的な形状の原石です。この形状は、一般的な「ラウンドブリリアントカット」を切り出すのに、無駄が最も少ないとされています。そのため、前述の品質分類である「ソーヤブル」として、非常に高い価値がつけられる代表的な形状です。
2-2-2.十二面体
「十二面体(ドデカヘドロン)」は、正八面体に次いで宝飾品への加工に適した形状です。やや丸みを帯びた、サッカーボールのような多面体の形状をしています。
この形状も、比較的無駄なく宝石を切り出すことができるため、価値の高い原石として評価されます。
2-2-3.マクル
「マクル」は、平たい三角形や六角形をした、薄い板状の結晶です。二つの結晶が合わさるように成長したもので、双晶(そうしょう)とも呼ばれます。
厚みがないため大きなカラット数の宝石を切り出すのは難しいですが、ファンシーシェイプカットなど、特徴的な形のダイヤモンドに加工されることがあります。
2-2-4.立方体
「立方体(キューブ)」は、その名の通りサイコロのような四角い形状をした原石です。
この形状から輝きを最大限に引き出す伝統的なカットをおこなうのは、非常に困難です。そのため、多くの場合宝飾品としての評価は低くなり、工業用の「ニアージェム」として分類されることがほとんどです。
2-2-5.イレギュラー
「イレギュラー」は、上記のような決まった結晶の形を持たない、不規則でいびつな形状の原石全般を指します。宝飾品として加工できる部分が非常に少ないため、その価値は一般的に最も低く評価されます。
その多くは、ニアージェムとして工業用途に回されることになります。
3.ダイヤモンド原石の価値(価格相場)が決まる仕組み
ダイヤモンド原石の価値は、私たちが目にするカットされたダイヤモンドの4Cとは全く異なる仕組みで決まります。
原石の査定は、「その石からどれだけ価値の高い宝石を生み出せるか」という、未来の可能性を予測する非常に専門的な作業です。
ここからは、ダイヤモンド原石の価値が決まる仕組みについて解説していきます。
3-1.カットされたダイヤモンドとの価値基準の違い
カットされたダイヤモンドの価値は、「カラット」「カラー」「クラリティ」「カット」という4Cの国際基準で明確に評価されます。
しかし、原石の段階ではまだ「カット」はおこなわれていません。そのため、原石の価値は、4Cのうちの「カラット(重さ)」「カラー(色)」「クラリティ(透明度)」と、それらに加えて「形状(シェイプ)」という独自の基準で評価されます。
3-2.原石の価値を決める「カット後の予測」と「形状」
ダイヤモンド原石の価値は、その原石を「カット・研磨したあとに、どれだけの大きさ・品質の宝石がいくつ取れるか」という予測によって大きく左右されます。
たとえば、同じ1カラットの原石でも、正八面体の「ソーヤブル」であれば0.5カラットの高品質な宝石が2つ取れるかもしれません。しかし平たい「マクル」であれば、0.2カラットの宝石しか取れないかもしれません。
この「カット後の予測」こそが、原石の価値を決める最大の鍵です。
3-3.なぜカットされたダイヤモンドより価値が低くなるのか
ダイヤモンドの原石は、同じ重さのカットされたダイヤモンドのルースと比較すると、その価値は必ず低くなります。原石の状態では、まだ「カット・研磨」という宝石の輝きを生み出すための最も重要でコストのかかる作業がおこなわれていないためです。
そのため原石の価格は、カット・研磨の技術料やその際のリスク、そして削られて失われる部分(原石の約半分以上)のコストをあらかじめ差し引いたものになるのです。
4.ダイヤモンドの原石を1円でも高く売るポイント

ダイヤモンドの原石を1円でも高く売るポイントは、以下の4つです。
- 信頼できる買取業者を選ぶ
- 鑑別書や鑑定書があれば用意する
- 売却するダイヤモンドの原石についての情報をまとめる
- 状態を整えておく
それぞれについて解説します。
4-1.信頼できる買取業者を選ぶ
ダイヤモンドの原石を売却する際は、必ず原石の買取実績が豊富で、信頼できる専門業者を選んでください。
ダイヤモンド原石の査定は非常に特殊であり、多くの買取店ではその価値を正確に判断できません。GIAをはじめとした国際的な宝石鑑定資格を持つ査定士が在籍し、原石の買取実績をWebサイトなどで公開している専門知識を持つ買取店を選ぶことが最も重要です。
4-2.鑑別書や鑑定書があれば用意する
お手持ちの原石に「鑑別書」や購入時の「証明書」が付属している場合は、必ず一緒に査定に出すようにしてください。これらの書類は、その石が「天然のダイヤモンドである」という証明や、品質を客観的に示す非常に重要な書類です。証明書があることで業者はその石の素性を確信できるため、より強気な査定額を提示しやすくなります。
とくに原石の状態では本物かどうかを見分けるのが困難なため、証明書の有無は査定に大きく影響します。
4-3.売却するダイヤモンドの原石についての情報をまとめる
ダイヤモンドの原石をいつどこで購入したかといった入手経路に関する情報があれば、査定時にできるだけ詳しく伝えることがおすすめです。たとえば「〇〇鉱山で採掘されたものとして購入した」といった産地情報や、購入時の価格などが分かる書類があれば、査定士がその価値を判断するうえで大きな手がかりとなります。
どのような背景を持つ石なのか、その物語を伝えることも価値の評価に繋がる場合があります。
4-4.状態を整えておく
ダイヤモンドの原石を査定に出す前に、その状態をできるだけきれいにしておくことも大切です。
原石に泥や皮脂、ホコリなどの汚れが付着していると、査定士がその石本来の透明度や色、内包物の状態を正確に評価するのが難しくなります。水で優しく洗い流したり、柔らかい布で表面の汚れを軽く拭き取ったりしておくだけでも、査定時の印象は良くなるでしょう。
ただし、原石を傷つける可能性があるため、強くこすったり薬品を使ったりすることは避けてください。
5.まとめ
冒頭でも解説したように、ダイヤモンドの原石は買取が可能です。
ダイヤモンドの原石を少しでも高く売るためには、鑑別書や鑑定書を用意することや、ダイヤモンドの原石についての情報をまとめておくこと、原石の状態を整えておくことなどが有効です。
信頼できる買取業者を選んで査定に出し、適正な価格で買取をしてもらいましょう。
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